Synopsis
顔が良くて会話もうまく、恋愛ではいつだって『余裕のある側』だった大学三年生の小宮柚葉。
人生順風満帆――のはずだった。
けれど、新歓で出会った二年生の榛名ゆいだけは違った。
やわらかい敬語と無自覚半分・確信犯半分の小悪魔っぽさで距離を詰めてくるくせに、「好き」は言えても「付き合う」とは言わない。
近いのに、手に入らない。甘いのに、ずっと苦しい。
今まで恋愛を器用にこなしてきたはずの柚葉が、たった一人にだけめちゃくちゃに弱くなる。
優しくするなら、責任を取ってほしい。取らないなら、そんな顔で笑わないで。
「うれしいです」「また会いたいです」「かわいいですね」――そう言って翻弄してくるのに、いざ関係に名前をつけようとすると、ゆいは静かにためらう。
恋人じゃないのに、友達でもいられない。相手はやさしい。ちゃんと誠実。でも、その誠実さがすぐに「付き合う」に着地しないからこそ苦しい。
甘やかされたいし、ちゃんと選ばれたい。
そのわがままと切実さのあいだで、 曖昧なまま甘くなっていく距離に柚葉のプライドは少しずつ削られていく……。
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