Synopsis

私、シルヴィア・スピネルは齢十六にして人生の意味を見つけました。  そう日記に書き記したシルヴィアはうっとりとした顔でペン先をインクの中に浸した。  婚約者であるニコラスが自身に向けて今まで見たこともないような嫌悪の視線を投げかけたのだ。  今までそんな視線を向けられる機会のなかったない彼女の胸がドキリと跳ねた。途端に頬に熱が集まる。険しい表情が、鋭い眼光が、シルヴィアの胸を突き刺す。  ただ、格好いい。と。  普段なら、そんな場違いで抽象的な感覚に由来するものが頭の中を占めることなどない。  次第に動悸が激しくなる。どういうわけか、上手く回らない頭の中を締めるのは婚約者の険しい顔ばかり。 「好きよ、ニコラス様」  それは、シルヴィア・スピネルが生まれて初めて口にした愛の告白だった。 ***** 短編です。

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Kakuyomu
Kakuyomu05/17/2026
  • Currentねぇ婚約者様。今一度、私に蔑んだ目を向けてくださらない?