Synopsis
「レント。お前、今日で終わりな」
Aランク昇格目前の冒険者パーティ《白銀の剣》で、レント・アッシュベルは荷物持ちをしていた。
彼のスキルは《荷物整理》。
収納袋の中身を整えるだけの外れスキル。
仲間たちは、レントを戦闘に役立たない無能だと決めつけていた。
けれど、彼らは知らない。
レントが見ていたものを。
壁の傷、床の泥、魔物の足跡、罠の違和感、帰り道の危険。
それらすべてが、パーティを何度も死から遠ざけていたことを。
追放されたレントは、宿代を稼ぐため一人で迷宮へ潜る。
そこで彼は、自分のスキルの真名を知る。
《迷宮整序》。
それは、迷宮に散らばった情報を読み解き、壊れた階層の傷や隠された罠、そして“迷宮の声”を聞く力だった。
レントを失った元パーティは、罠を踏み、道を誤り、少しずつ崩れていく。
一方レントは、失敗作と呼ばれた魔法使いミリアたちと出会い、迷宮に隠された不自然な死者、ギルドの隠蔽、人工魔石の謎へと踏み込んでいく。
ダンジョンは嘘をつかない。
嘘をついているのは、いつも人間の方だ。
捨てられた荷物持ちが、誰も見ていなかった“帰り道”から、最深部へ至る物語。
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