Synopsis
魔王城の地下一階。
魔力が澱み、ぷちダンジョン化し、魔物も闊歩するその一角に、ひっそりと揺れる酒場の看板。
夜ごと灯りをともすその酒場では、城で働く数多の魔族が夜な夜な集まっては飲み明かす。
種族も身分も問わぬ、至って平和なその酒場で、ひときわ浮いた四人組が今日もはきはき働いている。
勇者ハク、盾役タロン、魔法使いロン、聖女メル。
現役バリバリ、当代唯一の【勇者パーティー】だ。
日々酒場で働きながらも鍛錬を続け、至極真面目に魔王打倒を掲げる彼らだが、今日も酒場の客からは話のネタ程度にしか思われていない。
失敗談は酒の肴にされ、魔王への挑戦は半ば週末のイベント扱い。
それでも彼らは諦めない。
いつしかその酒場は、誰からともなくこう呼ばれるようになった──
──『勇者酒場』と。
これは引き際を見失った勇者パーティーが、いつか魔王を倒すまでのバトル……いや業務《バイト》日記。
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