Synopsis

漢の始祖・劉邦には、史書に記されることのない異能があったという。人の心を惹き寄せ、抗えぬ恋慕と執着を呼び起こす香り。「帝王の印」と密やかに語り継がれるそれは、祝福であると同時に呪いだった。 延喜四年、卯月。辺境の村・琢県の産屋を満たすかすかで甘美な馨りが、後に「劉備玄徳」と呼ばれる男の誕生を告げた。 彼は王として生まれたのではない。抱かれ、求められ、守られ、縛られる存在として――多くの男たちの想いと欲に翻弄される宿命を背負って。 これは英雄たちの物語ではない。英雄たちに愛され、欲され、囚われる劉備玄徳のための、耽美と宿命の三国志BL幻想譚。 泥中に沈み、なお燃え続けるものは、王の器か、それとも愛という名の業か。

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Kakuyomu
Kakuyomu05/14/2026
  • Current泥中に燃ゆ