Synopsis
ブラック企業勤務、年収そこそこ、友人ほぼゼロ。
だが男は知っていた。
——この世界は、“観測”で形が決まる。
地方メーカー勤務の社畜・野部遠汰(のべ とおた)は、残業中に異世界へ呼び出される。
異世界では《境界断ちのノベェンタ》として恐れられ、空間災害・魔王級存在・国家戦争すら単独で収束させる規格外。
しかし本人は、
「国家って巨大な感情圧縮装置なんですよね」
「会議は責任分散の宗教儀式です」
「あとカバって汗がピンクです」
などと、どうでもいい蘊蓄を延々喋る量子論オタクだった。
現実世界では、
課長に怒鳴られながら資料を三種類作り分け、
株で淡々と資産形成し、
コンビニ飯を食べ、
終電を逃し、
社会構造を量子力学で説明している。
一方、異世界では、
空を裂く災厄。
崩壊する世界境界。
神話級生命体。
観測すると死ぬ魔術。
そして、“世界そのものを書き換える存在”。
だがノベェンタは、だいたい無表情で言う。
「まあ因果律って“多数派の現実”なので」
これは、
現実世界8割・異世界2割で進行する、
意識高い系エリート社畜が、
勤務後にたまに世界を救う話。
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