Synopsis
「君の物語は、ここには書かれていない」
15年前。スキル判定で【文房具】というハズレを引いた柚木(ゆのき)は、探索者の道を諦め、実家の文房具屋を継いだ。
だが、彼は知っていた。この世界が「未完成の原稿(バグだらけの迷宮)」であることを。そして、使い古された文房具こそが、世界という情報を編集する最強のツールであることを。
ある日、店に飛び込んできたエリート探索者・リオ。
彼女の眼前に迫る絶望的なバグモンスターを、柚木は100円の事務用ハサミ一本で「切り捨て」てしまう。
「空間の継ぎ目が甘いですね。……さて、どこのメーカーの定規で直しましょうか」
鉛筆でステータスを書き換え、修正テープで滅亡の未来を塗り潰す。
高級な魔道具を誇る財閥のエリートを尻目に、こだわり派の店員は今日も地道に世界の「誤字脱字」を直していく。
※なお、彼に命を救われたエリート聖騎士が、恩返し(という名のストーカー行為)で背後に常駐していますが、本人は棚卸しに夢中で気づいていません。
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