Synopsis
民を愛し民に愛された賢王・藝淑華は、黄金の翼を持つ神獣・瑞霖とともに国を守っていた。だがしかし、かつて婚約者だった男・黎明の謀反によって命を奪われる。
最期に淑華が瑞霖へ遺した言葉は、ただひとつ。
「どうか悪しき者から民を守ってくれ。――生きよ」
しかしそれは、神獣を死ねない呪いへ変えてしまった。
そして十七年後。
前世の記憶を持つ村娘・仙月として生まれ変わった淑華は、驚くべき事実を知る。
“主殺し”の罪を着せられた神獣が、処刑されようとしている――。
瑞霖を救うため王都を目指した仙月の前に現れたのは、存在するはずのない黒翼の神獣の少年、千夜。
「……ほんと馬鹿。アンタなんか嫌い」
冷たく不機嫌なくせに、なぜか誰よりも仙月を守ろうとする千夜。
だが、本来この時代に黒翼の神獣は存在しない。なぜなら、神獣はひとつの治世に一頭しか存在せず、黄金の翼を持つ神獣はまだ生きているはずだから――。
死んだ王と、生き続けた神獣。
黒翼の少年が導く先に待つのは、奪われた王座か、それとももうひとつの真実か。
これは、雪の夜に失ったものを、月のない夜に取り戻す物語。
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