Synopsis
「王太子殿下の運命の相手は——」
神託の巫女ユリアは、その日、神から告げられた真実を偽った。
王太子アレクシスの運命の相手は、他でもない自分自身。けれど孤児として神殿に拾われた身寄りのない娘が、王太子の伴侶になど——そんなことが許されるはずがない。
震える唇で告げたのは、別の令嬢の名前だった。
それから三年。ユリアは夜ごと祈祷室で涙を流し、アレクシスは何度も神殿を訪れては同じ問いを投げかけた。
「お前に告げることはないのか?」
「……何もございません」
「ならばなぜ、お前はいつも泣いているんだ?」
婚約式が迫る中、偽りの婚約者カミラもまた気づいていた。王太子の視線がいつも自分を通り過ぎ、別の誰かを探していることに。
神に仕える巫女が犯した、たったひとつの嘘。
王族にもまた神託が届くという、知られざる真実。
三年間の想いの果てに、ふたりが辿り着く答えとは——。
切なくも甘い、運命の恋の物語。
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