Synopsis
山本誠、三十代。東京のアパートを引き払い、行き場を失った男は、生まれ故郷の雪深い山村へと車を走らせる。エネルギーも希望も底をついた男を待っていたのは、幼馴染の工藤が仕切る、村の権力構造に守られた詐欺まがいのビジネスだった。
誠は自らの知識と話術を活かし、孤独な高齢者たちから金を巻き上げるシステムを構築していく。村の議員、警察署長、そして暴力——その腐敗した生態系の中で、誠は奇妙な「生きている実感」を取り戻す。
工藤の愛人・朱美との逃避行を計画した誠だったが、工藤はすでに全てを知っていた。朱美は雪原で殺され、誠は無力な傍観者として立ち尽くすことしかできない。
東京へ逃げ帰り、灰色の日常に溶け込もうとする誠。しかし彼はやがて村へと引き返す。朱美の代わりにサチという若い女を囲い、今度は被害者ではなく、加害者の側として、この閉じた世界に骨を埋めることを決める。
雪は全てを覆い隠す。罪も、死も、そして人間の魂も。
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