Synopsis
神代玲は、人に合わせるのがうまい。
空気を読み、相手の動きに寄り添い、場を荒立てない。
誰とでもそこそこ噛み合えるその性質は、ペア実技を重視する学園では武器になるはずだった。
けれど玲は、誰か一人を選ぶことだけが苦手だった。
そんな玲の前に現れたのは、努力家で真面目な白石凛。
他人にも自分にも厳しく、雑に見られることを嫌い、選ばれない側になることを恐れている少女だった。
二人は仮ペアとして組むことになるが、相性は悪い。
玲が合わせようとすれば、凛は「自分を消された」と感じる。
凛が正しくあろうとすれば、玲は逃げ道を探してしまう。
それでも一度だけ、二人は説明できない同期値を出してしまう。
六十三。
その数字をきっかけに、玲と凛は学園側から普通ではない仮ペアとして観測され始める。
これは、完全に分かり合う物語ではない。
合わない。
分からない。
それでも無視できない。
並んで立つたびに、ずれる。
目をそらしたつもりでも、数字だけが残る。
凛といる時だけ、玲はいつもの逃げ方が少しずつ効かなくなっていく。
自分が誰といる時、一番嘘をついていないのかを。
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