Synopsis
夏休み最後の一週間、八月二十五日。
影が薄く、なぜか出席簿や写真に残りにくい高校二年生・瀬名湊斗は、親友の朝倉ミカから「夏が終わる前に、話したいことがある」というメッセージを受け取る。
けれどミカはすぐにそれを取り消し、何も言わないまま笑ってごまかした。
その夜、町内放送に混じった不気味なノイズが、まだ来ていないはずの八月三十一日を告げる。湊斗が導かれるように向かった旧体育館で見つけたのは、三年前の事故と関わる謎の記録装置「クロノグラフ」。そこには、未来の日付で記されたミカの死亡記録が残されていた。
八月三十一日の花火大会の夜、ミカは死ぬ。
彼女を救うため、湊斗は終わらない夏を繰り返す。だが、ミカを助けようとするほど、今度は湊斗自身の名前が世界の記録から少しずつ消えていく。
三年前に死んだ少女・雨宮サキ。
真実を隠そうとする先輩・黒瀬リョウ。
紙の記録だけを信じる後輩・雨宮レン。
そして、笑って嘘をつくミカ。
消された過去と、まだ失われていない未来が重なるとき、湊斗は知る。
誰かの名前を呼ぶことは、その人がここにいると証明することなのだと。
これは、夏が終わる前に大切な人の名前を呼ぶ物語。
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