Synopsis

公爵令嬢ノエルは、五年間にわたって王太子アシュレイを支え続けてきた。 政務の調整、貴族間の仲介、公式行事の準備——誰にも見えないところで国を支える仕事を、ただ黙々とこなしてきた。 しかし華やかな舞踏会の夜、アシュレイは衆人環視の中でノエルに告げる。 「君は冷たい。愛が感じられない。もっと温かくしてくれる人が傍にいてほしい」 五年間の献身は、「冷たさ」の一言で切り捨てられた。 その瞬間——ノエルの視界に、突如として未来のビジョンが流れ込んでくる。 燃える王都。崩れ落ちる王城の旗。内乱に引き裂かれた貴族たち。そして廃墟の前にたたずむ、アシュレイの孤独な背中。 〈この国、滅びるのね〉 未来視の力が告げる。この破滅の原因はただひとつ——ノエルが「いないこと」だ。 救える。今すぐ戻れば、確かに国は救える。 未来視はそのルートも見せてくれた。 でも、その未来の中でノエルはどこにいるのか。 誰にも見えない場所で、また一人、すべてを抱えて消耗している。 笑っていない。満たされていない。ただ、機能として存在している。 「救える。でも、それは同じことの繰り返しだ」 王太子の側近が助けを求めて屋敷を訪ねてくる。 やがてアシュレイ自身も現れ、言う。「戻ってきてくれ。君が必要だ」 未来視は正直に告げていた。彼女が頷けば、国は救われる、と。 それでもノエルは、静かに、はっきりと首を振る。 「私はもう、"使い潰されるための未来"は選びません」 自分を犠牲にすることが当然だと思っていた女が、初めて自分のための選択をする物語。 婚約破棄と未来視が交差する、自己回復のファンタジー。

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou05/10/2026
  • Current婚約破棄された途端、この国の“破滅ルート”が見えるようになりました——でも私はもう、選ばれなかった未来を救いません