Synopsis
高校二年生の佐藤は、クラスでは「静かで何を考えているかわからないやつ」と思われている。
けれど実際は逆だった。
彼は、人より少しだけ考えすぎる。
誰かに話しかけられるたび、
「この返しで変じゃないか」
「今この空気でそれを言っていいのか」
そんな確認を頭の中で繰り返してしまう。
その結果、長くなりそうな言葉は全部削られて、
口から出るのは「別に」とか「まあ」ばかりになる。
文化祭の実行委員を引き受けたことで、佐藤は少しずつクラスの輪の中へ入っていく。
曖昧なノリで進む会話。
“なんとなく”で決まっていく物事。
雑に通じ合う人たち。
その速度についていけず、考え込んでは言葉を飲み込む佐藤。
そんな彼に、一人のクラスメイトだけが気づき始める。
「佐藤って、黙ってるんじゃなくて、削ってる感じする」
これは、
“何も考えていない人”に見える少年が、
少しだけ未圧縮の言葉を話せるようになるまでの、
静かな文化祭の話。
Serialization Info
Web Novel