Synopsis
大学の一限目。
千早スズカは、窓際の席に座る一人の男子学生と出会う。
瀬戸アキオ。
黒髪で、少し眠そうで、軽口がうまい。
誰とでも自然に話せるのに、どこか一歩だけ外側にいるような青年だった。
講義。
グループワーク。
学食の焼き魚定食。
商店街の寿司屋バイト。
何気ない大学生活の中で、スズカは少しずつアキオと距離を縮めていく。
けれど彼には、誰にも見せていない顔があった。
夜になると現れる、怪異や妖怪、都市伝説のような存在――夜行。
人々の知らないところで日常を侵食するそれらを祓うため、アキオは裏組織「夜守」の一員として戦っている。
表では、至って普通の大学生。
裏では、退魔刃「影引」を手に夜を歩く青年。
スズカはまだ、その世界を知らない。
それでも彼の怪我、不自然な不在、ふとした冷たい目つきに違和感を覚え始める。
彼はなぜ、普通の日常をあんなにも大切そうに見るのか。
なぜ一人で、夜へ向かおうとするのか。
これは、日常を守るために夜で戦う青年が、
日常側にいる少女の声で、少しずつ帰ってくる物語。
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