Synopsis

海の匂いが残る小さな田舎町――。一匹の猫が自由気ままに生きていた。名前はワルダ。ボス猫・マンモスをはじめ、どこか個性的な猫たちに囲まれながら、ワルダはこの町でのんびりした日々を過ごしてた。 そんなワルダのまわりには、魚屋や本屋の店主、学校帰りの子どもたち。そして、自分を家族として可愛がる白波家――キヨシ、カナコ、タケシ、ノッコの四人がいた。 そこには家族の優しさや、町に暮らす人や猫の日常があった。 そんなある日、突然父キヨシが亡くなった。 そしてキヨシの遺品として、一冊の未発表小説が見つかる。タイトルは『俺は猫だ』。まるでワルダをモチーフにしたようなその物語は、多くの人の心を掴み、やがて社会現象とも呼べるほどの大ヒットとなる。 小説の舞台となった町には全国から人々が訪れ、ワルダの存在もまた大きな注目を集めていく。そしてワルダ自身も、ひょんなことから東京へ渡ることになる。華やかな都会の喧騒、新たな出会い、熱狂――。町では見えなかった景色の中で、ワルダはさらに多くの喜びを知っていく。 故郷へ戻ったワルダを待っていたのは、どこか物足りない町の風景だった。そして仲間たちとの衝突、すれ違い、別れを経験し、でも同時に、人も猫も誰かに支えられながら生きているのだと知った。 そして迎える、町の祭りの日。 人も猫も入り混じる賑わいの中、その時間はどこか別れを予感させるものだった。祭りの熱気の中で、なぜかワルダの意識は少しずつ遠のいていく。 そして長い昏睡から目覚めた時、ワルダは自分の本当の正体を知る。 すべては夢だったのか――。 それとも本当に、自分はワルダとして生きていたのか――と。 笑いと郷愁、そして静かな涙とともに描かれる、人と猫、家族と町の物語。読み終えたあと、きっとあなたの心にも、つい名前を呼びたくなる一匹の猫が――住みついて離れない。

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Kakuyomu
Kakuyomu05/09/2026
  • Current俺は猫だ