Synopsis
百年前、サングラディアの王ハクレンは、
仲間を巻き込まないために一人で魔人と対峙し、
自爆して消えた。
別れ際、彼は、戦友達に、民に、こう贈った。
「シグナ・グレ・トゥムス」
──今を、精一杯、生きよ。
それが、白鬼の遺言だった。
百年経って。
辺境の街に、人間の少年レイがいた。
生まれつき魔核が脆く、一歳で心臓が止まった瞬間、
ハクレンの魂が流れ込んだ。
百年生きた魂が、十歳の体の中で、目を覚ます。
しかし、ハクレンが持っていた強さは、何ひとつなかった。
弱い魔法。並の剣術。小柄で虚弱な体。
感情が大きく動けば、心臓が止まる。
息を整えて、生きていく。
それしか、できなかった。
「目の前の誰かを、見捨てない」
ハクレンが百年前に貫いた信念だけを、レイは継いでいた。
百年前、ハクレンには、救えなかった人々がいた。
百年経って、その人々の末裔と、レイは出会っていく。
──最強の主人公が世界を救う物語ではない。
百年生きた弱い魂が、息を整えながら、
もう一度、誰かを救おうとする物語。
百年経って、その輪が、もう一周する。
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