Synopsis
御影凛、17歳。
極道一家に生まれた彼女は、今日も黒塗りのリムジンで高校へ向かう。
――それは一見、ただの“お嬢様の通学”。
だが実際は違った。
父は組長。10歳上の兄は若頭。
そして彼女の周囲には、常に組員たちの監視と護衛が張り付いている。
「外に出れば危険がある」
それが、彼らの口癖だった。
けれど凛本人は、そんなことを深く考えたことがない。
友達と笑い、学校で過ごし、ナンパされては困り、そして帰れば守られる。
ただそれだけの“普通の生活”のはずだった。
――あの日までは。
凛はSP兼世話役の神崎への恋心を自覚し、初めて兄にはっきりと逆らい、兄を激昂させてしまう。
一方で、彼女を守る側もまた、静かに限界を迎えつつあった。
「守るために囲うことは、本当に正しいのか」
「それともそれは、ただの支配なのか」
誰もが凛を好いていた。凛を守ろうとしていた。
だがその誰もが、少しずつ歪んでいた。
そして当の本人だけが、まだ何も知らない。
極道の箱の中で育った少女は、
自分が“普通の高校生活”を送っていると思っていた。
――その日常が、自分自身の行動で簡単に壊れてしまうものだとは知らずに。
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