Synopsis

本書は、一九四〇年九月の日独伊三国同盟締結から、一九四二年六月のミッドウェー海戦まで、日本がいかにして「知りながら、そ れでも飛び込んだ」のかを、複数の視点から描く歴史ノンフィクション・ノベルである。 石油の残量を計算し続けた海軍軍令部総長・永野修身。真珠湾攻撃を設計しながら「この戦争に勝ち目はない」と書き記した連合艦 隊司令長官・山本五十六。ルーズベルトとの首脳会談を夢み、ついに実現できなかった首相・近卫文麿。ワシントンで和平の糸口を 探し続けた駐米大使・野村吉三郎。そして名前も記録も残さないまま、二度目の召集令状を受け取った一人の兵士。 指導者たちはみな、数字を知っていた。勝算がないことを知っていた。それでも彼らは、東条英機の言葉を借りるなら、「清水の舞 台から飛び降りる」ことを選んだ。 なぜ人は、知りながら止まれないのか。 一九四一年十二月八日の夜明けは、愚かさの産物ではなく、あらゆる出口が閉じられたあとに残された、最後の一手だった。 USS アリゾナは今も真珠湾の底に眠っている。毎年、数滴の油が水面に浮かぶ。乗組員一一七七名の遺体とともに。

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou05/07/2026
  • Current真珠湾:一九四一