Synopsis
王立冒険者ギルドが編纂した必読資料――それは、ドラゴンを「敵」としてではなく「環境」として扱うための生存マニュアルだった。
山を揺るがし、都市を消し去る存在。
その死骸すら世界の魔力循環を担う「資源」となる、超越的生物ドラゴン。
本書では、その生態・危険性・亜種との識別法を実証的に記述し、冒険者の生還率を高めることを目的とする。
しかし、調査団が遭遇した一体のカテドラル・ドラゴンとの“対話”は、その前提を覆す。
それは交渉ではなく、人類という種そのものの価値を問う「査定」だった。
なぜ人はドラゴンの死骸を切り取り、持ち帰るのか。
発展とは倫理なのか、それとも冒涜なのか。
記録者は帰還後、ひとつの結論に至る。
――ドラゴンは管理すべき対象ではない。世界を支える“不動の守護者”であると。
これは英雄譚ではない。
ただ生きて帰るための、認識の書である。
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