Synopsis

黒猫のノアが迷い込んだのは、過去を削り取る時計塔、星々を映す漆黒の鏡の海、そして青い光が弾ける星の森。 夜の底を彷徨うノアの隣には、いつしか月光を纏った美しい白いねこの姿があった。 けれど、その無垢な光の輪郭は、夜明けが近づくにつれて少しずつ透き通っていく。 再び訪れる喪失の予感。胸の奥で静かに脈打つ、棘のような痛みと、声にならない呟き。 「私は、誰かが置き忘れた想いの欠片だから」 誰かの祈りが形を成した、ひどく脆いその存在と交わした、たった一つの約束とは——。 孤独な黒ねこが、夜の終わりに静かな一歩を踏み出すまでの、切なくも温かい一夜の軌跡。 前作『夜を歩くねこ』から連なる、深く静謐な夜の物語。

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Kakuyomu
Kakuyomu05/05/2026
  • Current月明かりの再会