Synopsis
「君は冷たい女だ。愛を理解していない」
王宮の舞踏会で、王太子アルベルトは婚約者であるリリアーナを公衆の面前で捨てた。新しい愛のために。
泣かなかった。縋らなかった。
リリアーナはただ一言「わかりました」と告げて、その場を去った。
十九年間、完璧な婚約者であるために生きてきた。政務も魔法も経済も、全部——誰かのために磨いた力だった。
でも、もういい。
実家に戻ったリリアーナは、初めて自分のために動き始める。解決できなかった政務問題を片付け、封印していた魔法研究を再開し、商会を動かす。すると、誰も知らなかった彼女の本当の姿が、どんどん世界に溢れていく。
そんな彼女の前に現れたのは、隣国の王子カイル。
「なぜ今まで評価されなかったんですか、あなたは」
初めて、対等に見てくれる人がいた。
一方、王太子は気づき始める。彼女がいなければ、何もまわらないことに。
「やはり君が必要だ」
——遅すぎます、殿下。私はもう、"あなたのための私"ではありません。
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