Synopsis
駅直結ダンジョンが日常になった現代。
東雲栞は、駅東口ダンジョンで荷物持ち扱いされる底辺探索者だった。戦闘力は低く、目立つ実績もなく、パーティーからも軽く見られる日々。
そんな彼女がある日、売店で半額春巻きを買って食べた瞬間、頭の中に男の声が響いた。
「待て。俺、春巻きになってる」
春巻きに宿っていたのは、ハルと名乗る謎の男の意識。
ハルは栞と同化することで、傷を癒やす《分け巻き》、敵を包んで止める《巻封》、広範囲を守る《大巻き》、汚染を祓う《聖春巻き》など、どう考えても春巻きの範囲を超えた力を発揮する。
ただし、発動方法はだいたいおかしい。
負傷者に春巻きを食べさせる。
魔物を春巻きの皮で巻く。
ゲートを巨大春巻きで塞ぐ。
協会職員が真顔で「春巻き型特殊同伴存在」と登録しようとする。
栞は困惑しながらも、ハルを道具としてではなく相棒として扱う。
ハルもまた、食べられて消費される存在ではなく、栞と一緒に誰かを助ける存在になっていく。
やがて駅東口ダンジョンの旧層が目覚め、汚染された魔物たちが駅へあふれ出す。
食って奪うダンジョンに対し、ハルが選ぶのは、食べられて助けること。
底辺探索者と半額春巻きが、駅ダンジョンを救うまでの、バカバカしくて少し熱い現代ダンジョン支援譚。
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