Synopsis
「計算機のような女は可愛くない! これからは真の聖女がこの国を導くのだ!」
サンクチュアリ王国の王太子・エドワードにそう告げられ、婚約破棄された財務卿の姫ルナ。
彼女は王国の正妻候補として表向きは姫として振る舞いながらも、実は裏で国の経済を一人で支えていた最強の戦略家だった。
ルナが管理していたのは、魔力結晶の価格維持(ペッグ制)と、王立貿易会社の信用保証。
彼女がいなくなるということは、この国の**「信用」**がゼロになることを意味していた。
「……左様ですか。では、私の全資産(ポートフォリオ)を引き揚げますわ。さようなら、価値のない皆様」
追放された彼女を待ち受けていたのは、新興国ヴォルテール帝国の覇王・アレクサンドル。
彼はルナの冷徹な知能に一目惚れし、彼女を帝国の「経済の女神」として迎え入れる。
「ルナ、君がペンを動かすだけで、一国が滅ぶ。その恐ろしくも美しい指先に、跪かせてくれないか?」
一方、ルナを失った王国は悲惨だった。
愛妾の贅沢で国庫は空になり、ルナが張り巡らせた様々な策によって通貨価値は暴落。
そしてやがて、パン一つ買うのに荷車一杯の札束が必要なハイパーインフレが発生し、国民は暴徒化する。
「助けてくれルナ! 君が戻ればすべて解決するはずだ!」
「お断りします。エドワード様、あなたの国の格付けは既に『D(デフォルト)』。——もう、私の買い取り対象(ターゲット)ですらありませんから」
これは、経済という名の「見えない暴力」で、愚かな王家を合法的に、徹底的に、美しく破滅させる物語。
★マーク付きの話数のみR15表現が含まれます。
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