Synopsis

明治三十年。陽光に煌めく神戸港を見下ろす高台、居留地のオリエンタルホテルの一室で、シャーロック・ホームズは退屈そうにパイプを燻らせていた。  「ワトソン、日本という国は実に興味深いが、この街の治安は良すぎる。我々が滞在して三日、最大の事件といえば君が注文した刺身の鮮度くらいなものだ」 ​ 「文句を言うな、ホームズ。今は休暇だ。明日はあの麗しい六甲山へ登る約束だろう?」 ​しかし、翌朝。彼らが登山基地である布引の滝に差し掛かったところで、一人の巡査が青い顔をして駆け寄ってきた。 ​ 「助けてください! 英国人外交官の息子さんが、昨夜から山で行方不明なのです。掬星台へ向かったはずが、夜になっても戻らず……」ホームズの目が、獲物を見つけた鷹のように鋭く光った。

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Kakuyomu
Kakuyomu04/03/2026
  • Currentもしもシャーロックホームズとワトソンが、もし六甲山を登ったら?