Synopsis
榮國⦅エーコク⦆と陽國⦅ビーコク⦆の大戦は、開戦より二十五年が経った。
劣勢の陽國は、本島から百海里の絶対防衛ライン、米公島⦅こめきみじま⦆侵攻を、いまにも敵に許そうとしていた。
男女のひと組がいた。
男、葉桜宗作⦅はざくらそうさく⦆は、鉄の暴風雨へと駆り出された。
戦闘機は散った。
女、後西条眞理⦅ごさいじょうまり⦆は、内に宿る生命とともに、残された。
しかし事故で子は流れ堕ちてしまった。
眞理の身寄りは、戦禍でことごとく灰燼となった。
眞理は逃げた。
腰に黒光りするものを携えるつわものに、追い詰められた。
その時、「おかあさん」という確かな声を、眞理は己の内側より聞くが……
彼女の道は、希望か、絶望か。
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