Synopsis

禁書庫の奥に、一冊だけ鎖で綴じられた書物があった。 鎖は錆びていた。しかし南京錠は、まだ生きていた。カイはその錠前を三週間かけて観察し、歯車の噛み合いを計算し、ある夜、計算機の端子一本で開錠した。音もなく、鎖が石床に落ちた。 書物の表紙には、文字がなかった。 頁を開くと、最初の一行だけが書かれていた。   世界の熱量は、常に総量が保たれる。ただし、その分配は── 残りは、白紙だった。

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Kakuyomu
Kakuyomu04/22/2026
  • Current王瑠冠の加護