Synopsis

王都の外れで暮らす、名無しの少年。 彼は、旅の魔法使いと何度も出会っていた。 ――そのはずだった。 けれど魔法使いは、会うたびに「はじめまして」と言う。 花には名前をつけるのに、少年のことだけは覚えない。 どれだけ話しても、どれだけ一緒に過ごしても、次に会えばまた初対面。 やがて少年は知る。 この世界では、名前を持たないものは記憶に残らないということを。 そして気づいてしまう。 自分の存在は、誰の記憶にも、記録にも、残らない―― それどころか、触れた痕跡さえも消えていくのだと。 それでも魔法使いは、なぜか同じ場所にやってくる。 何かを忘れているように。 「次に会ったら、必ず名前をつける」 その約束は、果たされなかった。 やがて少年は、自分自身の記憶すら失い始める。 ――名前を思い出せない。 ――花の名前すら、思い出せない。 それでも、なぜか涙だけが残った。 これは、誰にも覚えられなかった存在の物語。

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou04/21/2026
  • Currentぼくのことを、誰も覚えていない理由