Synopsis

小学校の頃、クラスでいじめられていた女の子がいた。
冷夏ちゃん――大人しくて、少しだけ周りと違っていた彼女。
私は彼女を嫌ってはいなかった。
でも、助けることもできなかった。
ただ一度だけ、私は彼女から“あるもの”を借りた。
その時、彼女は笑っていた。
 
――それから十五年。
 
結婚し、子どもにも恵まれ、穏やかな日々を送っていた私の前に、
冷夏ちゃんは何事もなかったかのように現れる。
懐かしい会話。優しい笑顔。
再び始まった、穏やかな関係。
 
けれど、少しずつ日常に違和感が混ざり始める。
帰りが遅くなる夫。
そして――
「ねえママ。今日ね、“ママ”と遊んだの」
そう言い出す、私の子ども。
 
やがて届いた、夫からのメッセージ。
「好きな人がいる。今日は帰らない」
 
あの日、彼女が笑っていた理由を、私はまだ知らない。
 
――「ねえ、楽しかった?」
 
あの時、借りたもの。
そして今、静かに“返されていくもの”とは――。

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Alphapolis
Alphapolis04/18/2026
  • Current「今度は、私の番」