Synopsis
現代日本。
人間の恐怖、悪意、執着、後悔。
それらが一定以上に濃縮された時、この世界には異常存在――禍霊《かれい》が発生する。
禍霊は、人を襲い、街を歪め、時に都市機能すら破壊する災害である。
それに対抗するため、人類は魔力を術式へ変換する技術――魔導を発展させた。
政府公認の魔導官候補生育成機関、国立御影魔導学園。
そこは三年制の全寮制学園であり、将来の魔導官、結界術師、災害対策員、魔導具技師を育てる場所だった。
主人公、灰原律《はいばら・りつ》は、その御影魔導学園に入学した一年生。
しかし、彼には目立った才能がない。
魔力値は低い。
身体能力も平凡。
術式適性も突出したものはない。
入学初日の測定では、周囲の優秀な新入生たちと比べ、自分が明らかに下位であることを突きつけられる。
だが、実技試験の最中、律の視界に突然、赤い線が走る。
敵の射線。
攻撃の予兆。
遮蔽物の耐久値。
味方の死角。
危険度。
弱点表示。
照準補正。
それは、まるでFPSゲームのHUDのように、戦場情報を表示する異常な視界だった。
だが、この世界にそんな魔導は存在しない。
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