Synopsis

王国は言った。「新天地で豊かに暮らせる」と。 嘘だった。 送り込まれたのは、魔獣が跋扈し瘴気が満ちる"還らずの大陸"。 支援物資は届かず、開拓団は飢え、病み、そして死んでいった。 少年カイルは、その地獄の中で異能に目覚める。 ――【魂の継承(ソウル・テイク)】。 自分が「仲間」と認めた者が死ぬとき、その者の技能・記憶・魔力のすべての断片を受け継ぐ力。 剣士が死んだ。その剣技の欠片を継いだ。 薬師が死んだ。その薬学の欠片を継いだ。 母が死んだ。その――愛し方を、継いだ。 三百人いた開拓団で、最後に立っていたのはカイル一人だった。 大陸で十年を生き延び、脱出後さらに五年の放浪を経て、カイルは王都に降り立つ。 目的はただ一つ。 この国を、壊す。 計画の要は、王族の令嬢エレーナ。 彼女を手に入れれば、王宮の内側から国を喰える。 口説き、騙し、利用するつもりだった。 ――いつから本気になったのか、カイル自身にもわからない。 だが彼女もまた、嘘つきだった。 カイルの正体に気づきながら、知らないふりで笑っていた。 三百の残火を抱えた男と、記録の行間に真実を探す王女。 互いに仮面をかぶり、互いの嘘を見抜きながら、どちらも離れられない。 復讐のはずだった。 それだけの、はずだった。

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou04/13/2026
  • Current残火は玉座を灼く