Synopsis
魔法が存在せず、現代兵器と物理法則、そして未知の遺物(アーティファクト)で攻略される現代ダンジョン。
クランの生存率を100%に保っていた天才的な荷物持ち・古海縁理(フルミ・エンリ)は、無能なリーダーに自身の報酬を横領され、追放を宣告される。
リーダーが自慢げに掲げるレアアイテム。しかし、エンリは一瞥して気づいていた。
(……あの皮袋、限界値を超えると空間ごと崩壊する『廃棄装置』だな。まあ、僕には関係ない)
エンリは一切の未練なくクランを去る。
彼の真の目的は、このダンジョンという「バグった物理エンジン」の理(ルール)を完全にハッキングすることだった。
一対の空間の穴を繋ぐ手袋『虚空の門』。
ただそれだけの能力で、エンリは空間を1ミリに絞り込んで水圧を暴走させる「崩壊する泡沫」や、極限の自由落下を利用した「終端速度の剣雨」など、圧倒的な『物理ハック』で規格外のモンスターたちを次々と粉砕していく。
そんな彼の異常な神業を偶然目撃したクランのサブリーダー・秤珠里(ハカリ・ジュリ)は、即座に泥舟を見限りエンリの元へ。
「貴方は私の王子様です。資金も物資も私が完璧に手配しますから……私を貴方の好きにしてください♡」
「……離れろ。無駄な摩擦熱が生じる」
色仕掛けを「摩擦熱」と切り捨てるクールな理系男子と、理詰めのスキンシップで彼を狙う重すぎる愛の有能秘書。
最強のバディが結成された裏で、何も知らない元クランのメンバーたちは、戦利品を詰め込んだ「自滅袋」と共に破滅へのカウントダウンを進めていた——。
これは、たった一つの空間の穴から世界のバグを解き明かす、圧倒的ハッカーの理不尽な無双劇。
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