Synopsis

名前を持たない男がいる。記録には残っていない。残っているのは呼称だけだ――ムーア渡り。 男が持つのは武器と、わずかな食料と、一つの座標データだけだ。命令を下した上官はすでに消えた。理由も目的も持たないまま、男はただ歩く。巨大構造体・ムーアの深部を、一人で。 廃区画GR-001で、男は女と出会う。キャシー。仲間とはぐれ、武器も地図も持たない彼女は、男に同行を求めた。目的地の方向が違うことはわかっていた。それでも男は承諾した。理由は自分でもわからなかった。 無口な男と、かまわず話しかける女。リコレクターが巡回し、リントン・システムが沈黙するムーアの中を、噛み合わない二人が歩き続ける。座標の先に何があるのか

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Kakuyomu
Kakuyomu03/18/2026
  • Current亡き者の構造体