Synopsis

世界樹は遥か上空に幹を据え、気根を下へ横へと張り巡らす。人々は気根の形を平地のごとく整えて、そこに空中国家をつくり暮らしている。 とある国のとあるボロアパートに暮らす南方熊楠似の人間嫌いな郵便配達員“海稲”。晩酌と討論が好きで身長が高い風来坊的学者“阿原”、白銀の髪、青瞳、着物、そしてツノがある美しい女性(龍?)“みあれ”。 少し風変わりな彼らが織りなす「美」と「学」が、世界樹をこえて遠く離れた者たちをつなぐ。ファンタジーでありながら、古き良き日本を感じさせる、切なく美しい物語。 “海稲”はとある国に住む郵便配達員であり、郵便物を届けるため日々忙しなく飛び回っている。ある祭りの日の夜、仕事を終えた海稲がボロアパートでひとりくつろいでいると、玄関外で大きな衝撃音がした。急いで外に出てみると着物姿の白銀の女性“みあれ”が倒れている。──みあれはどうやら普通の人間ではなさそうだ。 友人の“阿原”と晩酌をしながら、みあれについて議論する。今日は先祖を迎え入れる祭りの日である、ならば彼女は迎え入れられた鬼か龍の類いであろう。二人はそのような仮説を立てた。その後二人は様々な方面へと議論を展開しながら、「学のための学」を楽しむ。 祭りの日の夜からはじまった、海稲とみあれの「美的生活」。海稲は俳句や短歌を詠み、みあれは生け花をする。そして、二人の共通の趣味、読書。海稲の積読本をみあれが読んだことをきっかけに、読書について語り合い、二人の仲は深まっていく。一緒に本を買いに行き、楽しく語り合いながら読書を楽しむ二人だったが──。 美とは何か、詩とは何か、空白とは何か。二人の奇妙な日常が、美の行方と行く末を照らし出す。

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Kakuyomu
Kakuyomu03/18/2026
  • Current世界樹の丈を追い越す積読の絶巓に咲く春のまぼろし