Synopsis
【疲れている方へ】
毎日が、何かに追い立てられているようだった。
秒刻みの電車、光り輝くコンビニ、深夜まで途切れない通知音。春日部での暮らしは快適だったけれど、私の心はどこか、乾いた砂のようだった。
場所を変えれば、自分も変われる。そんな淡い期待を抱いて向かった那須の地で、私は「生きる」ということの本当の意味を知ることになる。
便利さを手放した代わりに、私が手に入れたもの。
少しだけ奇妙で、最高に贅沢な「猫缶登山」の物語を、ここから始めようと思う。
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