Synopsis

25歳の晴海綾乃は、七星商事に勤める入社4年目の営業事務。 家庭崩壊の中で自分を救ってくれた“先生”を中学時代に亡くし、 その番号に毎晩21時、留守電へ語りかけることで心の均衡を保っていた。 社会人になった4年前、 もう終わりにしようと最後にかけたその番号が偶然つながり、 以来、綾乃は“無言の持ち主”に甘えながら、 先生への想いを留守電に吹き込み続けている。 そんな綾乃の部署に、新人の上嶋宏堵が配属される。 教育係を押し付けられた綾乃は戸惑いながらも、 上嶋の爽やかさと落ち着いた態度に不思議な既視感を覚える。 挨拶回りの途中、階段で足を踏み外しそうになった綾乃を、 上嶋は強く抱き寄せて救い上げる。 その耳元で囁かれた言葉。 「会いたかった……綾乃」 その声は、 綾乃が“もう二度と聞けないはずの声”にあまりにも似ていた。 混乱する綾乃をよそに、 上嶋は真剣な瞳で告げる。 「晴海綾乃さん。これから、あなたを落とすので、覚悟して下さい」 新人とは思えない強引さと熱を持つ上嶋。 綾乃はその瞬間、 自分の平穏な日常が終わる音――“シンデレラの鐘”が鳴った気がした。

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Kakuyomu
Kakuyomu03/16/2026
  • Currentシンデレラの鐘【完】