Synopsis

五年間、私は何も言えなかった。
「ねえ、今日も遅いの?」
そう送ったメッセージに返ってくるのは、いつも“既読”だけ。
仕事に追われる夫・蒼真は、悪い人じゃなかった。
ただ——私を見ていなかった。
笑って送り出して、一人で夕食を食べて、眠れない夜をやり過ごす。
そんな日々を続けるうちに、言葉は少しずつ消えていった。
そしてある夜、私は離婚届を置いて家を出た。
声にできなかった五年分の気持ちを、そのまま残して。
――もう、何も言わなくていいと思った。
新しい生活。静かすぎる部屋。
誰にも気を遣わなくていいはずなのに、なぜか息がしやすい。
そんなある日、出会ったのは——
ちゃんと話を聞いてくれる人だった。
少しずつ言葉を取り戻していく中で、気づいてしまう。
私はまだ、蒼真のことを忘れられていない。
「今さら、遅いよ」
そう言えるはずだったのに——
これは、何も言えなかった私が、
もう一度“誰かを好きになる”までの物語。
そして最後に選ぶのは、
過去か、それとも——今か。

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Alphapolis
Alphapolis03/26/2026
  • Current「既読だけだったあなたと別れて、私はちゃんと恋をした」〜言葉を失った私が、もう一度誰かを好きになるまで〜