Synopsis

前世の記憶がバレたら、私はこの世界で居場所を失う。 それでも、この手が知っている薬の知識を眠らせてはおけなかった。 魔法ギルドの片隅で、誰にも見つからないよう研究を続けていた。 この世界にない理論で書いた実験ノートを、ある日うっかり落としてしまうまでは。 拾ったのは、ギルド改革を志す公爵家の当主。 常識外れの処方箋に彼の目が止まり、理事直轄の予算と実験室を与えられた。 私の研究が他人の論文として提出された。家柄が実力を押し潰すギルドで、末席の研究員に反撃の手段はあるのか。 武器は魔法ではない。観察し、仮説を立て、検証し、証拠を積む。前世で叩き込まれた研究者の手順だけが頼りだ。 不器用な公爵は無言で仕事を増やし、隣を歩くときだけ歩幅を合わせてくれる。彼がいつも手袋を外さない理由を、私はまだ知らない。 前世の記憶を隠したまま、どこまで戦えるだろう。答えはまだ、実験ノートの中にしかない。

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou03/22/2026
  • Current転生先はモブ令嬢でしたが魔法ギルドの隅で薬を作っていたら国を救うことになりました