Synopsis
母は新興宗教を信じ、教師は規則を信じ、先輩は「みんなのため」という正義を信じている。
高校二年の松永翔真は、誰にも殴られず、誰にも罵倒されないまま、正しい言葉に囲まれて声を失っていた。
反論しないのは、従っているからではない。
ただ、言葉が折れてしまう場所を知っているだけだった。
祖父母の家で言葉を休ませ、父の不器用な気遣いに救われながら、翔真は日々の言葉をノートに記録していく。
正しさを否定しない。
誰かを断罪もしない。
ただ、言葉を音に変えるために――。
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