Synopsis
居酒屋チェーンの店長として十年間働き詰めだった甲斐諒介は、ある冬の夜に意識を失い、目覚めると異世界にいた。
冒険者登録で判明したスキルは「鑑定」ただひとつ。
戦闘能力は皆無。冒険者ランクは最底辺のG。
三ヶ月経っても、まともな依頼にありつけない日々。
だが、この世界には奇妙な事実があった。
——飯が、圧倒的にマズい。
魔法で栄養を摂る文化が発達した結果、「美味しく食べる」という概念自体が失われた世界。ダンジョンで採れる素材の大半は「食用不明」として廃棄されている。
ところが、カイの鑑定には他の鑑定士には見えない"続き"があった。
毒キノコの毒が加熱で消えること。乾燥させれば旨味が五倍になること。捨てられた草の根が、この世界にない「香辛料」になること——。
偏屈なドワーフの大家。路地裏の猫獣人の少女。腕は立つが飯にうるさい冒険者。無表情だけど帳簿に強い元令嬢。
廃棄場のゴミ食材と、一口の出汁スープから始まる、ちょっとだけ世界を変える異世界グルメファンタジー。
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