Synopsis

「子供の世話しかできない女は不要だ」 婚約破棄と同時にそう言い捨てられたリーネは、伯爵家を追われた。 手元に残ったのは着の身着のままの荷物と、どこの孤児院でもたらい回しにされた五歳の子供だけだった。 その子は、魔力が暴走する「呪いの子」。 誰もが遠ざけるこの子の暴走を止められたのは、リーネだけだった。 光を遮り、声を落とし、体温のミルクを差し出す。 それだけで、暴走は収まった。 辺境の小さな領で暮らし始めたリーネは、この子が安心して眠れる生活を一日ずつ組み立てていく。 朝の粥、午前の散歩、昼の午睡。 繰り返しの中でこの子は少しずつ変わっていった。 けれど不思議なことが起きている。 この子がお昼寝するたびに、国の結界が安定するのだ。 結界の異常を調べに来たという宮廷の調査官は、この子の魔力を計り続けている。 幼児に敬語で話しかけるような不器用な男だったが、何かを知っていて、何かを隠していた。 やがて王都から届いた一通の要請が、穏やかな日々を揺るがし始める。 この子を引き渡せ、と。 なぜ王都はこの子を欲しがるのか。 あの調査官は何を黙っているのか。 そして、この子の寝顔がなぜ国境の結界を動かすのか。 不要だと捨てられた手が守っているものの正体を、リーネはまだ知らない。

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou03/11/2026
  • Current呪いの子を引き取った追放令嬢ですが、この子がお昼寝するたびに国の結界が安定するのはなぜですか?