Synopsis
動画編集で生計を立てる榊真琴は、相場より安い家賃に惹かれて古いマンションの302号室へ引っ越す。
そこは、以前の入居者に“事情があった”事故物件だった。
引っ越し初日の夜、午前二時十三分。
部屋の隅に、白いワンピースの女が立っていた。
白峰透子
そう名乗る彼女は、幽霊でありながら真琴を脅かすどころか、夜ごと部屋に忍び寄る“何か”から守るようなそぶりを見せる。
恐怖から始まったその関係は、やがて静かな会話を重ねるうちに、恋へと変わっていく。
しかし透子は、この部屋で死んだわけではなかった。
四年前、雨の夜、河川敷で命を落とした彼女と、302号室から失踪した男・柊悠人。
二人を結ぶ過去を追うほど、真琴の現実は少しずつ“あの夜”に侵食されていく。
助けたい。終わらせたい。
けれど、いなくならないでほしい。
それでも最後に真琴は選ばなければならない。 事故物件に取り残された恋を、朝のある場所へ送り出すのか。
それとも、自分もまた、夜の側へ沈んでいくのか。
切ない救済で締める、現代ホラー恋愛
Serialization Info
Web Novel