Synopsis
大阪・黒門市場の外れにある小さな寿司屋《寿々喜》。
高校二年の春、俺は父の背中を追い、この店を継ぐと決めた。
だが現実は甘くない。
シャリは崩れ、ネタは傾き、父の握りとはまるで違う。
「寿司は形やない。呼吸や」
そう言われても、その“呼吸”がわからない。
そんな中、ついに初めて常連客の前に立つ日が来る。
逃げたい気持ちと、継ぎたい覚悟のあいだで揺れながら――
少年は震える手で、一貫を握る。
カウンター越しに始まる、父と息子の成長物語。
春の匂いとともに、ひとつの決意が握られる。
Serialization Info
Web Novel