Synopsis
現代で「生きた仏」とまで称えられた高僧・浄厳(じょうごん)。
肉を断ち、酒を避け、女を遠ざけ、ストイックすぎる修行の末に彼が辿り着いた悟りの境地……それは、「やっぱり脂ぎった肉が食いたい」という強烈な本音だった。
無念の往生を遂げた彼が目覚めると、そこは後漢末期、動乱前夜の三國志の世界。
遼東の貧村に生まれた赤子「鉄(てつ)」として転生した彼は、固く心に誓う。
「今世は、絶対に我慢しません」
重湯(おもゆ)の薄さに絶望し、赤ん坊の身でありながら前世の「呼吸法」で肉体を改造。
五歳になれば知識を求めて村中の書物を(食べ物の記述がないか探すために)読破し、
十歳になれば槍を振り回し(肉を狩るために)独自の武術を完成させる。
本人は至って真面目に「私欲」を追求しているだけなのに、
前世の徳が滲み出る言動のせいで、周囲からは「なんと高潔な神童か」「民を救う麒麟児だ」と勘違いされ、勝手に崇められていく。
やがて、その「欲」の矛先は村を飛び出し、異民族、さらには遼東の主・公孫家へと向けられ――。
これは、前世で禁欲しすぎた男が、美味い飯と極上の酒、そして最高の権力を求めて、三國の勢力図を「ついでに」塗り替えてしまう成り上がり録。
「公孫度の旦那。私を雇いに来ないので、こちらから参りました。……ところで、一番高いお酒はどこですか?」
Serialization Info
Web Novel