Synopsis
魔力回路を持たない青年、リアド・ティーラ。英雄と称えられる母を持ちながら、彼は都市の解体部隊——討伐されたロストの事後処理部隊に属していた。
かつて存在した魔王の怨嗟の化身、「ロスト」。それに侵蝕されロスト堕ちとなった人間には安楽死(ラストオーダー)が下され、英雄の手によって命を絶たれる。欺瞞を善とするこの都市では、この悲劇すら大衆の娯楽として消費されていた。幼い頃からその狂った平和を目の当たりにしてきたリアドは、幼馴染のエルフィアと「全部助けられるアンカーになる」と約束を交わした。
やがて【魔王の精霊】シェディムと契約したリアドは、《ロストライン》の名で現行の制度では見捨てられる命を救うべく、違法の道へ身を投じる。回路がないため侵蝕を受けない体と、自ら設計した機甲スーツを携えて。だが、そのスーツの基盤こそ都市のインフラ【ライン】の原型であり、皮肉にも発明者は他でもないリアド自身だった。その行動の裏に秘めた本心は、欺瞞の英雄制度そのものを壊す『魔王』になること。
【ライン】の普及によって自身の魔法の価値を奪われた親友フロムは、リアドへの嫉妬と絶望につけ込まれ、黒幕の手引きで異形の怪物へと堕ちて牙を剥く。
「お前がもう一度夢を見られるように、俺がお前の憎悪を砕いてやる」
魔力が底を突く中、リアドは親友を救うため対峙する。持たざる後輩シアストラの決死の援護と、遠征先から星空越しに一撃を届けた、『時代の英雄』と目される幼馴染エルフィアの助力。生身を黒炎で灼きながらフロムの核へ手を伸ばし、彼は不可能とされた「ロスト化からの救済」という奇跡を成し遂げる。
欺瞞の平和に宣戦布告し、テロ組織【レネゲイド】の暗躍する都市で、彼はすべてを救う『魔王』として、再び夜の街へ踏み出していく。
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