Synopsis
2000年3月。中学2年生の玄律暁(げんりつあき)は、剣道部の副部長として多忙ながらも充実した日々を送っていた。新年度の部員勧誘で見せた「伝統の寸劇」と得意のバク宙は大成功を収め、部にはかつてない人数の新入生が押し寄せる。
そんな熱気の中、律暁は一人の後輩・幸田えり子から「剣道部にいる間だけでいいから付き合ってほしい」と切実な告白を受ける。自身への人気を牽制したい彼女の真意と、以前から抱いていた彼女への好意の間で揺れながらも、律暁はその「契約」を承諾。二人の、純粋で真っ直ぐな恋が始まった。
しかし、若さゆえの危うさは思わぬ方向へ向かう。引退が迫る7月、若き顧問・山鹿先生から相談を受けたことをきっかけに、律暁は自らの心に潜む「揺らぎ」を自覚してしまう。えり子を誰よりも大切に想いながらも、自身の不確かさに怯え、一つの決断を下す律暁。
卒業式の肌寒い空気の中、校門で交わされた最後の約束。それは、初恋の輝きと、守りきれなかった自責の念が交差する、痛切な青春の1ページの幕切れだった。
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