Synopsis
あの日を境に、うちの道場には、ちょっとした変化があった。
変わったのは、祖父じゃない。
周りのほうだ。
毎朝茶をすすり、昼には干し芋をねだり、
夕方まで縁側で昼寝している――
祖父は、相変わらずだった。
神無玄斎。
世間では「心眼一刀流の達人」だとか、
「斬らずに斬る何たら」だとか、
好き勝手な噂を流しているけど……
私は知っている。
あれはただの、甘いものに釣られる九十七歳の、
ポンコツじいちゃんだ。
……の、はずだった。
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