Synopsis

2008年、日本の科学者である宮部明彦、湯澤研一、そしてジャーナリストの岬麗子は、文部科学省の派遣としてスイスの欧州原子核研究機構(CERN)を訪問する。彼らの目的は、CERNの大型ハドロン衝突型加速器(LHC)に提供された日本の技術を検証することであった。このCERNでの滞在中、彼らはCERNの研究員である島津洋子と出会う。この2008年という年は、LHCが稼働を開始した年であり、この加速器から放出された「数テラ電子ボルト以上のエネルギー」が、後の世界の運命を大きく左右する原因となる。  この出来事の30年近く後、2035年。日本の神岡鉱山地下に設置されたニュートリノ観測施設「ハイパーカミオカンデ」では、小平教授と加藤恵美が、宇宙で発生した極超新星爆発から飛来する異常な数のニュートリノを観測する。この現象は、ガンマ線バーストが数時間から数日後に地球を襲い、人類に壊滅的な被害をもたらすことを示唆していた。小平は、2008年にCERNで働いていた島津洋子や、高エネルギー加速器研究機構の宮部明彦と森絵美、JAXAの湯澤研一に緊急連絡を取り、地下への避難を促す。  ガンマ線バーストが地球に到達すると、電力網は破壊され、電子機器は使用不能となる。しかし、小平と加藤は、この絶望的な状況の中で希望を抱く。それは、マルチバース(多元宇宙)の存在と、隣接する宇宙にいる自分たちの分身が、人類を救うために何らかの行動を起こしてくれるのではないかというものであった。  物語は、2008年のCERNで発生したLHCからのエネルギー放出が、実はマルチバース間のワームホールを通じて、別の宇宙にいる生命体の記憶や意識を転送する現象を引き起こしていたことを示唆する。これは、2035年の地球を襲った極超新星爆発とは別の現象であるが、小平と加藤の運命は、2008年にCERNに集まった宮部、森、湯澤、岬、そして島津洋子たちの運命と深く結びついていく。  過去と未来の出来事が複雑に絡み合い、それぞれのキャラクターの選択が時空を超えて影響し合うSFとして展開していく。

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Kakuyomu
Kakuyomu02/07/2026
  • Current「💫ラムレーズンを一粒 (第三宇宙)」③セルン・島津陽子編、2035年9月、地球を襲ったガンマ線バーストは地球の種の90%を死滅させた。並行宇宙間の彼らはどうこの地球を救うのか?