Synopsis
気づけば、人生はいつも脇役だった。
自分は主人公になれないのかもしれない。
その確かな不確定さが、風見晴人を物語の外側に立たせていた。
そんな彼の前に現れたのは、木下世界。彼女は言う。
「主人公になってよ」
その言葉は、現実を物語に変える呪文だった。
筋肉で正義を語るかつてのヒーロー。
ラノベでヒロインになりたい優等生。
彼女たちとの交錯は、日常をじわじわとフィクションに侵していく。
やがて風見も錯覚していく。
「もしかして、自分も物語の一員かもしれない」
だけど、物語はいつだって自分以外を主役にして進んでいく。
それは現実か、虚構か。
青春か、妄想か。
そして――この物語の主人公は誰なのか。
あの日、誰もが夢見た特別な何かになれる物語は、もうどこにもない。
――これは、主人公になれなかった少年少女たちが、
それでも“誰かの物語”になろうと足掻く、青春群像劇。
脇役もモブもいない、主人公以外は不在の破綻した物語をいつか世界に刻むために――。
略称は『何世界物。』、読みは「いせかいもの。」。
現実と虚構の狭間で、人生をかけて綴る、たったひとつのフィクションへのラブレター。
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