Synopsis
帰省した実家の離れの夏の縁側に、奇妙な従兄弟がやってくる。
刺繍をする私の横に座り、アンナカレーニナを読み進める。
クソ暑いにも関わらず、みじろぎもせず、口も開かずに。
本の内容にふさわしい陰鬱で繊細な横顔。
彼は一体だれだろう。
彼は昔の彼なのか?私の知ってる彼なのか?
彼を知っているのは誰なのか?
この猛夏にうなる蝉と、ぎゃらぎゃら弾ける風鈴か、それとも灼熱の地を離れ、塀を登る朝顔の蔓だろか。
それとも誰も知らないか。
Serialization Info
Web Novel